お肉だけじゃない! コンパクトな低温調理器が生む新たな美味しさ

お肉だけじゃない! コンパクトな低温調理器が生む新たな美味しさ

ドイツ・ゾーリンゲン生まれのキッチンブランド「ツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン」が2020年に立ち上げた調理家電シリーズ「ENFINIGY(エンフィニジー)」。ブレンダーやケトルといったラインナップにこの程、新たに低温調理器が加わりました。最近耳にすることの多い〝低温調理〟ですが、実際のところ、使い勝手や味わいは従来の調理法と比べてどう違うのでしょうか。発売に先立ち行われたプレス発表会に参加し、探ってきました!

低温調理はなぜ美味しいの?

低温調理とは、40〜99℃という低い温度帯で食材を加熱する調理法のこと。例えば肉の場合、内部から肉汁が逃げ、固くパサパサした仕上がりになってしまう原因は、高温で一気に加熱するから。肉や魚に含まれるタンパク質は温度帯により変性します。60℃以上になると筋組織が収縮し、水分が抜けやすくなるのがその理由。つまり、柔らかくジューシーに仕上げるためには、40〜66℃でじっくり加熱するのが一番なのです。
一方、スジ肉やスネ肉などの固い肉や軟骨などは、77℃で3時間以上加熱すると内部のコラーゲンがゼラチン化し、とろけるような食感に。こうした食材の特性を利用し、低い温度帯で火入れをするのが低温調理。加熱による食材の変性を熟知したレストランのシェフ達は従来、この低温調理を活用してきました。
もちろん魚や肉以外の食材も同様で、例えば土鍋で炊くとご飯が甘く美味しくなるのも、熱伝導が緩やかな土鍋を使うことで、米のでんぷん質が糖質に変わる温度帯(55〜65℃)を時間をかけて通過するから。つまり、食材のおいしさを引き出すためには、その食材に適した加熱温度と加熱時間が重要になってくるのです。

会場となった「オークウッドプレミア東京」。家具や家電が完備された滞在型ホテル&レジデンスです。
会場となった「オークウッドプレミア東京」。家具や家電が完備された滞在型ホテル&レジデンスです。

プロの絶妙な火入れを自動で再現

そんなプロが行ってきた火入れの技術を自動で簡単に再現できるのが、6月16日に発売されたツヴィリングの低温調理器。この日は、低温調理の本も出版されている料理研究家・川上文代先生によるデモンストレーションと併せ、実際にこの低温調理器で温度と加熱時間を変えて調理した食材の試食が行われました。
「低温調理の長所はなんといっても、肉汁を逃さず均一な火入れができること。魚介や肉のタンパク質は40〜66℃、テールやスジ肉、鶏皮や鰻のコラーゲンは77℃でじっくり加熱することで驚くほど美味しくなります。
もちろん魚やお肉以外でもメリットはたくさんあります。野菜や果物は煮崩れせず、味がしっかりと染みます。さつまいもやカボチャなどのでんぷん質もしっかり糖質に変化するので、より甘くなるんですよ」

こちらが温度帯を変えて調理したサーモンとイクラ。その味わいの違いは、まさに発見!
こちらが温度帯を変えて調理したサーモンとイクラ。その味わいの違いは、まさに発見!

参加者のテーブルにまず並べられたのは、サーモンとイクラ。
サーモンは生のもの、44℃、55℃でそれぞれ10分加熱したものです。食べ比べてみると、44℃で火入れしたサーモンからは生臭さが消え、55℃のものはさらにミディアムレアな食感に。
イクラも同じく生、55℃、77℃、88℃で火を入れたもの。こちらも55℃のものは生臭さがなく、温度帯が上がるごとに、よりクリーミーな味わいに変化しているのがわかります。
また、写真には載っていませんが、低温調理したカボチャの甘みにも、驚きました!

タッチ&トライコーナーには、低温調理器と真空保存器が。
タッチ&トライコーナーには、低温調理器と真空保存器が。
本体価格は17,600円。ポンプによる循環機能付きで、鍋の中のお湯を対流させる。
伸縮式の低温調理用スタンドラック(2,750円)を使えば、バッグを並べて加熱できる。
伸縮式の低温調理用スタンドラック(2,750円)を使えば、バッグを並べて加熱できる。

真空保存器も活用度大!

会場には参加者が自由に操作性を体験できるタッチ&トライブースも用意されていたので、実際に手に取ってみました。水を入れた鍋に低温調理器を取り付けたら、本体上部のLED画面で温度と加熱時間を設定します。そこに、真空バッグに入れた調味料と食材を投入するだけ。コンロも必要ないうえ、加熱された温水が対流するので加熱ムラもないそうです。家庭はもちろん、厨房スペースが限られるレストランなどでも活用度大では?と、唸ります。

「真空パックして調理することで、香りや栄養素が逃げず、味もより浸透します」と川上先生。温度設定は0℃〜99℃(0.5℃刻み)、タイマーは最大99時間59分まで可能で、設定した時間になると自動的に加熱がストップし、ブザーで知らせてくれます。

お肉だけじゃない! コンパクトな低温調理器が生む新たな美味しさ
専用バッグに本体を接続し、ボタンを押すだけで真空パックに。このまま低温調理器に投入できるほか、保存にも便利。本体と専用コンテナ・バッグがついたスターターセットは8,480〜9,980円。
専用バッグに本体を接続し、ボタンを押すだけで真空パックに。このまま低温調理器に投入できるほか、保存にも便利。本体と専用コンテナ・バッグがついたスターターセットは8,480〜9,980円。

この日使われていたツヴィリングの真空保存器「フレッシュ&セーブ」は、自動ポンプと専用バッグまたはコンテナを組み合わせて使用するもの。低温調理ではバッグに食材と調味料を入れて自動ポンプで空気を抜き、使用します。これにより食材が浮かず、均等に熱が伝わるほか、加熱が終わったら真空パックのまま冷蔵・冷凍保存も可能。こちらは低温調理だけではなく、日々の常備菜作りや食材保存にも活躍するアイテム。真空保存することで、鮮度が最大5倍も長持ちする優れものです。
真空&低温調理の合わせ技を使えば、いつもの食材が驚くほど美味しくなることを実感した発表会でした。

Zwilling

最後に、この日使われたツヴィリングの最新調理家電が体験できる場所をご紹介します。発表会が行われたのは、選びぬかれた家具や家電が完備された滞在型ホテル&レジデンス「オークウッドプレミア東京」。この「オークウッドプレミア東京」と「オークウッドスイーツ横浜」「オークウッドホテル京都御池」では「ZWILLING Experience Room」を用意しており、実際に宿泊し、調理器具を使うことができます。利用者には最寄りのツヴィリング直営店で割引が受けられる特典も。仲間内で低温調理パーティーを楽しんでみるのも、いいかもしれません。

■問い合わせ先
ZWILLING
ツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン株式会社
TEL:0120-75-7155
http://www.zwilling.jp

Oakwood 〝ZWILLING Experience Room〟
https://www.oakwood.com/ja-jp/japan

text、photo:奥 紀栄 (料理王国編集部)

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