日本酒造組合中央会が、フランスソムリエ協会とのパートナーシップに続き、2022年5月に国際ソムリエ協会とのパートナーシップを締結した。
世界の料理界で活躍するソムリエたちの日本酒についての理解がさらに深まることで、世界の消費者に新たな美食体験が提供できることが期待される。
日本酒造組合中央会(Japan Sake and Shochu Makers Association(中央会)と、国際ソムリエ協会(Association de la Sommellerie International:以下 ASI)が、2022年5月23日にパートナーシップを締結したことが発表された。この背景には、世界の主要都市における日本酒の注目度の高まりがあり、世界のガストロノミー界を舞台に活躍するソムリエたちに、日本酒についての正しい理解や多様な活用方法に関する認知度の拡大を目指すこととなる。
また、日本の酒類業界団体が世界60カ国のソムリエ協会を束ねる国際ソムリエ協会とパートナーシップを締結するのは初めてのことだ。
ASIは世界のソムリエの技術向上や消費者へのワイン&スピリッツに関する啓発などを目的とした団体で、1969年6月にフランス・ランスに設立、現在はパリに本部が置かれている。
ヨーロッパ、アジア、南北アメリカ各国、日本を含む世界60カ国のソムリエ協会が加盟。ソムリエ同士の交流、テキストやセミナーなどによる教育プログラムなどの提供だけでなく、国際的なソムリエコンテストを開催するなど、各国のソムリエが学びの歩みを止めることなく、国の枠を超えて活躍するための場を提供している。
今回のパートナーシップ締結により、ガストロノミーの世界におけるインフルエンサーとして世界市場で活躍するソムリエたちとのネットワーク構築が可能になり、日本酒の「和食」という枠を超えた各国様々な料理とのマリアージュにおける幅広さや、その背景にある日本文化、歴史、醸造技術の高さを伝える機会が増えることになる。
そして今後は、22年7月4日から6日にかけて日本で開かれるASIの総会を皮切りに、お互いの業界に携わるすべてのステークホルダーの知識や技術向上を目指し、その先にある世界の消費者にワインや日本酒の魅力、その多様性を知ってもらうことで、新たな美食体験を提供できるようになることが両者から期待されている。
日本酒造組合中央会
全国1,661社の酒類(日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりん)メーカーが所属する日本酒業界最大の団体。酒類業界の安定と健全な発展を目的とし、1953年に設立。「國酒(こくしゅ)」とされる日本酒、本格焼酎・泡盛について情報発信することで、国内外へ幅広く認知向上させる活動に取り組んでいる。
https://www.japansake.or.jp/common/outline/index.html
国際ソムリエ協会 Association de la Sommellerie International
1969年ランス(フランス)で設立された非営利団体で世界60カ国ソムリエ協会(及び3カ国ソムリエ協会のオブザーブメンバー)で構成される。各国のソムリエ協会の設立を促進しソムリエの技術や職位向上に取り組んでいる。
https://www.asi.info/about/