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未来を担う若者へ!世界で活躍するグランシェフ10名からのメッセージ #1


未来を担う、シェフたちへ

フランス料理、イタリア料理、日本料理、中国料理、パティスリーの各ジャンルで長年キャリアを積む世界のグランシェフの方々から、料理界の未来を担う若きシェフたちに向け、メッセージを寄せていただいた。
料理への情熱、お客をもてなす心、スタッフの育成、シェフとしての社会的役割など、グランシェフが贈る熱いメッセージのひとつひとつに、「シェフ」という職業の誇りや重みを感じてほしい。

各シェフへの質問事項
①シェフという仕事を誇りに感じるときは?
②シェフに必要不可欠な3つの条件とは?
③これからの時代、社会に求められるシェフの役割とは?

ジャン=ポール・エヴァン
Jean-Paul Hévin
「ジャン=ポール・エヴァン」シェフショコラティエ

① つねに自分の仕事に対して満足と誇りを感じ、次の人生においても、同じ仕事を選びたいと自信を持って言えるとき。

② 1. 味覚、芸術、創造性においての感性。2.よく働くこと、企業家であること、競争心を愛し、一番であること!3. チョコレートを愛すること。

③ 妥協のない優れた素材選び。新鮮さ、バラエティに富んだ商品、強い創造性、優れたブランドイメージ。

ピエール・エルメ
Pierre Hermé
「ピエール・エルメ・パリ」シェフパティシエ

① 私はつねに自分の仕事を、自分自身の能力を余すことなく発揮できる職業だと感じている。シェフという仕事は、自分自身のビジョンを表現する手段でもある。

② 1. 創造性。2. 情熱。3. 計画性に対する厳格さ。

奥村忠士
Tadashi Okumura
「アカーチェ」シェフ

① まだ日本で知られていない数々の素晴らしいイタリア料理があるなかで、お客さまに料理を紹介して認知されたとき。また、料理を通じて、いろいろな人と知り合えたとき。スタッフが独立、成功したとき。

② 1. スタッフに対しての指導力(まずは自分がお手本を見せられること)。2. すべての事柄に対して実直であること。3. お客さまの立場で物事を考えられること。

③ 自分の経験に基づき、食材の知識や情報などを必要に応じて提供できること。品行方正であることが、社会、後進に対する責任だと考える。

音羽和紀
Kazunori Otowa
「オトワレストラン」シェフ

① 料理とお店を通して、お客さま、地元の人、生産者、さまざまな職業の方との出会いやつながりを作り続けてきたこと。

② 1. ホスピタリティ精神を持つ。2. 物事を見る力、五感で感じる力、美意識をつねに磨くこと。3. 食の仕事にゴールはなく、一生追求していける仕事なので、未知なことや困難なことでも臆することなく興味を持って続けていくこと。

③ 皿の上の表現にとどまらず、生産者、生産地、自然と触れ合いながら料理を作っていくこと。テクニックや目先の利にとらわれることなく、お客さまに喜んでいただき、その土地で愛され、人を育てることができる店作りをしていくこと。

片岡護 Mamoru Kataoka 「アルポルト」シェフ

片岡護
Mamoru Kataoka
「アルポルト」シェフ

① お客さまが食事を終えて帰られるときに「おいしかったよ!また来るよ」というひと言をいただいたとき。

② 1. 人間性。2. 技術。3. 健康。

③ 今の時代に要求される料理を創るだけではなく、社会に貢献できる食育やボランティアなどの役割を果たしていくこと。

ピエール・ガニェール Pierre Gagnaire 「ピエール・ガニェール」シェフ

ピエール・ガニェール
Pierre Gagnaire
「ピエール・ガニェール」シェフ

① 自分自身の頭や手先がきちんと動いて、本物の質の良い料理が創れると感じるとき。新しい料理を創るときに、スタッフの注意をきちんととらえていると感じるとき。

② 1. 精神的。2. 肉体的な健康。3. ほかの人に対する注意。

③ 適正な価格で、悦びを与えられること。

上柿元勝
Masaru Kamikakimoto
「カミーユ」シェフ

① 自然(食材)の生命を料理し、食した人の感動と感激、感謝を感じたときに誇りを感じ、食材に「ありがとう」と声をかけながら料理しています。

② 1. 何事にも積極的でガッツがあること。2. 美的センス。絵画や音楽に興味を持つこと。3. 牛歩の前進でいろいろな分野について学ぶこと。

③ 自然の恵みに感謝することは当然であり、地産地消の推進と自然環境に優しい仕事を考える必要があります。また人材育成も大切です。

谷昇
Noboru Tani
「ル・マンジュ・トゥー」シェフ

① 毎日が必死でそんなことを考えたことはありません。

② 1. 適正な利益の維持。2. 謙虚であること。3.社会的責任の認識。

③ 自らの仕事に文化的考察を加え、料理人の社会的地位向上に貢献すること。

陳啓明 Keimei Chin ウェスティンホテル東京「龍天門」料理長

陳啓明
Keimei Chin
ウェスティンホテル東京「龍天門」料理長

① お客さまに直接接して、いい反応が聞けたとき。また苦心して作った料理がついに完成して達成感を覚えるとき。

② 1. サポートしてくれる部下。2. 食材。けっして有名銘柄ではなく、鮮度がよく、もっともいい状態の食材。3. 恵まれた環境。自分の料理を理解してくれるお客さまとオーナー、整った厨房環境。

③ 食の安全を第一に、けっして自己満足ではなく、お客さまを満足させる料理を考える。ある程度、利益に反映させることも必要。

陳建一 Kenichi Chin 「四川飯店」料理長

陳建一
Kenichi Chin
「四川飯店」料理長

① お客さまにひと言「おいしかったよ、また来ます」と言われたとき。

② 1. 人間性。2. 技術。3. 信頼。

③ お客さまは好みも十人十色ですが、店全体で楽しませることがまず大切。それにはサービススタッフが、お客さまの情報を可能な限り厨房スタッフに伝え、店全体が一丸となってお客さまに満足いただく雰囲気づくりを考える必要がある。


沖村かなみ=文・構成、伊藤文(パリ)=文

本記事は雑誌料理王国第175号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第175号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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