日本で初開催のパネットーネ・コンテスト、募集開始


イタリアのクリスマス菓子、パネットーネの普及活動を行っている団体「パネットーネ・ソサエティ」が、この度「パネットーネ・コンテストin Japan 2022」の開催を発表。パン職人、菓子職人、料理人、ピッツァ職人など、プロによる手作りのパネットーネを対象とし、日本におけるパネットーネのレベル向上と知名度のアップを目的とするコンテストだ。

「パネットーネ・ソサエティ」は2020年11月に発足した。日本では作り手もそれを食べる人もまだまだ少ないが、発酵菓子の中でも難易度の高いパネットーネは、技を磨く努力を惜しまない日本の職人にとっては魅力的なテーマであるし、美味しいものへの感度の高い消費者にとっては多種多様なパネットーネに出会う機会が増えるのは大歓迎だろう。
折しもパンデミックで窮地に立たされた食の業界に少しでも明るい未来を創出する一助となれば、というのが、団体設立の目的だ。以来、マスタークラスやオンラインテイスティング、リアルな試食会を開催してきた。
パネットーネ・コンテスト開催も設立当初からの目標の一つとして、リサーチと準備を進めてきた。

パネットーネ・クラッシコの断面。レーズンとオレンジピールが使われている。
パネットーネ・クラッシコの断面。レーズンとオレンジピールが使われている。

パネットーネの本場イタリアではさまざまなパネットーネ・コンテストが行われている。菓子職人やパン職人の団体が行うもの、素材メーカーや機器メーカーが主催するものなど多々あるが、いずれも出場者は自らの技術レベルを確認し、入賞すればその証を謳うことで売り上げアップに繋げられる。一つのコンテストに数百もの応募があり、多くは北部、中部、南部に分けて予選が行われ、クリアしたものが決勝戦に臨むというスタイルである。
こうしたコンテストの他に、食の総合メディア「ガンベロ・ロッソ」などが独自にパネットーネ・ランキングを発表するなど、イタリアのパン・菓子業界でパネットーネはプロフェッショナルにとって重要なバロメーターとなっている。

外側の焼き色、内面の焼き色と気泡の具合、フルーツの状態などの見た目と、香り、食感、味わいを審査する。
外側の焼き色、内面の焼き色と気泡の具合、フルーツの状態などの見た目と、香り、食感、味わいを審査する。

日本でのパネットーネ・コンテストも、作り手一人一人の孤軍奮闘をサポートし、職人自らが自分のパネットーネの現在地点を確認する機会にしてもらうことを念頭に置いている。
審査方法は、イタリアでのコンテストを参考にしており、審査員がブラインドテイスティング、外観、内観、味、香りなどの項目ごとに採点する。一般の料理コンテストや菓子コンテストのように審査員の目の前で実技を披露することが難しいため、レシピ、任意提出だが製造工程の動画または画像も参考にする。
予備審査を経て本審査で最高得点者を1位、本審査出場者をファイナリストとして表彰し、次回のコンテスト開催までその証を自店で販売するパネットーネに貼付することができる。

市販のイーストや加工済みの酵母種を使わず、自家培養発酵種(リエヴィト・マードレ)で発酵させたパネットーネが審査対象。
市販のイーストや加工済みの酵母種を使わず、自家培養発酵種(リエヴィト・マードレ)で発酵させたパネットーネが審査対象。

応募方法は、「パネットーネ・ソサエティ」のHPから申込書をダウンロード、必要事項を記入した申込書を事務局までメールで送付する。
申込書が受理されるとその後の手続きについての案内が送られてくる。
申込者は期日までに参加料(5,000円、パネットーネ・ソサエティ会員は無料)を支払い、11月16日までにレシピ及び動画または画像を送信、11月16日着指定でパネットーネ4個を指定の宛先に送付する。
出品するパネットーネはクラッシコタイプ(レーズン、オレンジピールを使用。シトロンピールも使用可能。表面は十字のクープ入り、アイシングは不可)。
予備審査は11月21日、本審査は11月24日。本審査終了後、同日夕方にファイナリスト、メディア臨席で結果発表を行う予定だ。

審査員は以下の通り。

鈴木弥平氏(ピアットスズキ)審査委員長
鈴木弥平氏(ピアットスズキ)審査委員長
ニコラ・オリヴィエリ氏(Olivieri 1882)特別審査員
ニコラ・オリヴィエリ氏(Olivieri 1882)特別審査員

池田浩明氏(「パンラボ」主宰)
羽根則子氏(スイーツ・フードジャーナリスト)
平岩理緒氏(スイーツジャーナリスト)

同コンテストは、イタリア大使館が後援、株式会社ツジ・キカイ、株式会社ニップン、ルーツ貿易株式会社の協力で開催される。

詳細については、
https://panettonesociety.org
または、
info@panettonesociety.org
まで。

text:池田愛美 photo:池田匡克

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