食の未来が見えるウェブマガジン「料理王国」

菌を繁殖させないもうひとつの要因 pH


食物に含まれる自由水が、食物の劣化に大きく関与しているのと同じように、食物の pH(水素イオン濃度)も食物の劣化に深く関与している。

pHとは、その液体が酸性なのか、 アルカリ性なのかを表す尺度で、pH7が中性。7より低い数字の場合は酸性で、逆に7より高い数字の場合はアルカリ性となる。

それぞれの生物によって、生育にもっとも適した pH(最適 pH)がある。そして生き物は、その最適 pHよりもpH が高い環境でも低い環境でも生きていくことはとても難しく、あるpH を超えた環境では生きていくことはできず、最後は死滅する。pH4以下、あるいは pH9以上の環境で生育できる生物はいないとされている。

ちなみに、多くの細菌にとって、もっとも繁殖に適した pH は 7 付近だ。

寿司や酢の物、ピクルスなど、酢を使った食品やチーズ製品、柑橘が腐りにくいのは、食品のなかに含まれる酸によって食品の pH が低くなり、その結果、細菌の生育が抑えられているからだ。なお、酸の主体はさまざまだが、食酢は酢酸、乳製品は乳酸、柑橘はクエン酸、リンゴはリンゴ酸。市販の清涼飲料水が比較的長持ちするのは、それらに溶けているリン酸や炭酸によって、pH が低くなっているからだ。

本記事は雑誌料理王国第285号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第285号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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