2021年10月6日
創業90年の老舗、東京・湯島「鳥つね」の支店として「鳥つね自然洞」が神田末広町界隈に店を構えて約20年。佐々木久哉さんが店長となったその頃から流通網が発達し、地方からも鶏肉が仕入れられるようになった。
比内地鶏や名古屋コーチンを使った親子丼「特上親子丼」は、同じ頃に佐々木さんが考案したメニュー。日々の入荷状況によって両者またはそのどちらかを使うが、いずれも卵を産む直前、脂ののった生後160〜180日の雌を仕入れる。上質な地鶏の味わいを生かすため、佐々木さんがめざす親子丼の仕上がりは、卵と鶏肉が混ざり過ぎず「食べ進むうちに少しずつ混ざってくる」状態。そのためには質がよく旨味の濃い調味料を使う。割りしたは再仕込み醤油、3年以上熟成の本みりんと少量の砂糖を加えて作り、だしは加えない。卵の質も重要。黄身の味わいが濃い卵を選び、卵液をほとんど溶かずに使う。卵への火入れを短時間に抑えるため、鶏肉を薄くそぎ切りにするのもポイントだ。
鳥つね自然洞
東京都千代田区外神田5-5-2
03-5818-3566
● 11:30~13:30LO、17:30~21:00LO
● 日祝休
● 昼 1000円~/夜 一品料理1200円~、コース6800円~
text : Yukako Ito /photo : Hiroshi Fushiki
本記事は雑誌料理王国第209号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第209号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。