ネギ風味の煎り焼き餅「粤式葱油餅(ユエシーツォンヨウピン)」


熱湯で練るモチモチ感!

辻調理師専門学校 中国料理技術顧問 吉岡勝美さん

熱湯で練った生地は、薄くのばしたり、麺にするだけの伸展性はないので、破れやすくスープを溜めることができない。一方で、熱湯で練るため、生地にはほぼ火が通っており、焼いたり、蒸してから煎り焼くと、上部はモチッとやわらかく、底はパリッと仕上がる。

材料⬥15個分

●煎り焼き餅の生地
材料 でき上がり約225g
薄力粉…150g
塩…1g
熱湯…80~ 95g
ネギ油…6g

●青ネギとベーコンの餡
材料 でき上がり約300g
青ネギ(粗みじん切り)…135g
ベーコン(粗みじん切り)…112.5g
ネギ油…56g
塩…1.5g

煎り焼き餅の生地

  1. ボウルに薄力粉と塩を合わせ、湯煎で温める。沸騰している分量の熱湯を一気に加えて麺棒で手早く混ぜる(a)。
  2. しっかりと練り、生地がひとつにまとまれば、麺台に取り出し、ネギ油を加えて(b)練り込む。
  3. よく練ってまとまればビニール袋に入れて常温で15分休ませる。
  4. 取り出して練り、つやが出て滑らかになれば再びビニール袋に入れて常温で15分以上休ませる。
(a)
(b)

(a)熱湯は温度を下げずに一気に
ボウルを湯煎にかけて、一気に熱湯を加え手早く練るのがポイント。好みだが、熱湯の量を多くして練るとさらにやわらかく口溶けのよい生地となる。

青ネギとベーコンの餡

  1. すべての材料を混ぜ合わせ、常温で約30分おく(c)。
    *ネギのかさが減り、包みやすくなる。
(c)

仕上げる

  1. 生地を棒状にのばして15gずつ15個に分割する。麺棒で直径10㎝に丸くのばし、生地の周囲を少し残して餡20gをのせる(d)。手前からゆるく巻いて円筒状にする。
(d)

2. 巻き終わりを下にしてU字形に曲げ、巻いた筒状の片方の端に他方の端を少しさし込み、軽く押さえてとめる。
3. 手のひらで軽く押さえて平らにし、焼き色がつきやすいように整える。
4. 3を油(分量外)を薄く塗った鉄板に並べて(e)強火で4分蒸し、少量の油を敷いたフライパンで煎り焼いて両面に焼き色をつける。

(e)
ネギ風味の煎り焼き餅

レストランでのアイディア

点心のアレンジメニュー。のばして揚げた中国風のクレープは、アミューズのフィンガーフードなどにも活用できそうです。

のばして揚げて中国風のクレープに
煎り焼き餅のような点心は、生地からは炭水化物、中の餡からタンパク質などを一度に摂れる合理的な庶民の料理だったため、食べごたえがあり、どんな餡でも包める生地が喜ばれました。蒸す、焼くに適した生地ですが、薄くのばした2枚の生地でソースを挟んで揚げた中国風のクレープは、アミューズのフィンガーフードなどにも活用できるかもしれません。


江六前一郎=取材、文 村川荘兵衛=撮影

本記事は雑誌料理王国第273号(2017年5月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第273号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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