編集長の野々山が、本誌の見どころを、編集こぼれ話として紹介します。巻頭で好評連載中のロバート キャンベルさんがとっておきのお店を紹介する企画、4月号は京都の粋な小料理屋でした。
料理王国本誌で好評連載中のロバート キャンベルさんの美味ごころ。5月6日発売の6月号では、スイーツの名店、イデミ スギノを紹介していますが、この名店、実は4月末で閉店しました。杉野さんとの出会いのエピソードから始まるキャンベルさんの感動的な名文はぜひ、6月号をご覧ください。
そして4月号では、京都、南座の南側にある、小さな料理屋を紹介していました。「食卓かとう」は、去年、初めてキャンベルさんと連載企画の話をした時から候補に上がっていたお店でした。その時から興味深いお店だったので、去年の11月に、個人的に京都旅行をしたときに寄せていただきました。季節柄、美味しい松茸の土瓶蒸しが出てきました。コロナ禍で、新幹線もガラガラの時だったので、予約した日は、貸切で加藤さんとゆっくりお話ができました。カウンターを挟んだ、まさにシェフズテーブル。3時間余りかけて作っていただいた料理はどれも手間暇かけて作られた味わい深い料理でした。それに、器は好きでよくいいものを見つけては購入していると言うだけあって、どの器も、いい感じでしっとりしていて、どこか可愛らしさが見て取れました。今まで、京都には何十回も行って、色々なお店で食事をしましたが、これほどホッとできる和める空間でいただいた夕飯は初めてだったかもしれません。
加藤さんは先斗町で10年ほど修行をしてから、このお店を出しました。先斗町から歩いて数分。鴨川に近く、すぐ北側に南座が見えるロケーション。長屋のように数軒並んだ建物の真ん中あたりにあります。隠れた路地裏という感じ。先斗町の賑わいとは別な空間で、落ち着けます。キャンベルさんがどうしてこのお店を推薦したのか。これは4月号をぜひご覧ください。
実は、この時、イデミ スギノの取材が決まっていたのですが、諸事情があり延期になったため、急遽、食卓かとうの取材が決まりました。多忙を極めるキャンベルさんに、日帰りで京都の撮影に立ち会っていただきました。
ここだけの話ですが、キャンベルさんに連載をお願いしたとき、原稿を日本語で書いていただけるか不安でした。でも、最初に原稿を拝見してびっくり。僕よりはるかに美しい日本語で原稿は書かれていたのです。僕の出身大学の特命教授をされているキャンベル先生には大変失礼な話でした、すみません。今までずっとコロナ禍でzoomの打ち合わせばかりでしたが、これからは、食卓かとうのような居心地の良いお店で打ち合わせをお願いできればと思っています。皆さんも、京都に行かれることがあるときは、食卓かとうに予約の電話をしてみてください。