【永久保存版】平成食の記憶VOL11〜平成30年 相次ぐ巨匠たちの死


年が明けてばかりの1月20日。フランス・リヨンから訃報が届いた。世界中の料理人に多大なる影響を与えた、グランシェフ、ポール・ボキューズさんが死去。91歳だった。それから8カ月も経たないうちに、73歳だったジョエル・ロブションさんの死去の知らせも届いた。かつてヌーベルキュイジーヌを率いた偉大なる二人のグランシェフを亡くしたフランス料理界は、悲しみにくれた。前年の平成29(2017)年年末には、イタリア料理界を刷新したグアルティエロ・マルケージさんも87歳で亡くなっている。奇しくも平成29年12月1日に、今上天皇の退位が発表されたばかり。ひとつの時代が幕を下ろし、次の時代の到来をこの時感じた。

1月20日
ポール・ボキューズさん/Paul Bocuse [1926-2018]

フランスのリヨン近郊に、昭和40(1965)年から続く三ツ星レストラン「ポール・ボキューズ」。オーナーのボキューズさんと日本との関りは深く、1970年代から辻調理師専門学校の招きで来日。フランス料理の普及に努めた。元「アピシウス」の総料理長で現「レ ゼール デ カー」の小林定氏や「NARISAWA」の成澤由浩氏などが、「ポール・ボキューズ」で修業している。

Photo by Kozo Yano

8月6日
ジョエル・ロブションさん/Joël Robuchon [1945-2018]

昭和51(1976)年に初来日して以降、ボキューズさん同様に、日本との関りの深いグランシェフ。昭和58(1983)年に現「ジョエル・ロブション」の前身「ジャマン」で三ツ星を獲得した。平成6(94)年に東京・恵比寿に「タイユバン・ロブション」(現「シャトー・レストラン ジョエル・ロブション」)を、六本木には「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」をプロデュースした。

photo by Yuta Fukitsuka

2017(平成29)年12月26日
グアルティエロ・マルケージさん/Gualtiero Marchesi[1930-2017]

イタリア、スイス、フランスで修業した後、その経験を活かし、伝統的なイタリア料理に新風を吹き込んだ。「ヌーヴォ・クチーナ・イタリアーナ(新しいイタリア料理)」を生み出した、現代イタリア料理の父。イタリアで初めてミシュランガイドの三つ星を獲得したことでも知られる。現代のモダン・イタリアンをけん引する彼の弟子たちは「マルケジーニ(マルケージ派)」と呼ばれる。

photo by Kinta Kimura

本記事は雑誌料理王国2019年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は 2019年3月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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