大阪「バー ヘミングウェイ」流!スペイン風サンドイッチ「ボカディージョ」の作り方


丁寧に管理されたシェリーを飲みにふらっと立ち寄りたくなるバル

 スペインのバルは、日に何度でも気軽に立ち寄る場所。松野直矢さんは「バーヘミングウェイ」を、開店から15年を経た12年に、路面店にした。店内面積も縮小して、よりスペインのバルらしくリニューアルした。カウンターは座ってもスタンディングでも、客が好きに過ごせる高さに設えてあり、スペイン語のテレビ番組が流れている。カウンターからベネンシアドールの松野さんとスタッフの橋野祐美子さんがシェリーを注ぐ。その一杯から名酒の味を知る若者も多い。腹具合や体調、飲みたいドリンクの種類や量も、気軽に何でも伝えれば、配慮して出してくれる。そんなフレキシブルなバルらしさを何より大切にしてきた。

 メニューはすべてスペインの本流だ。シェリーにはオリーブを添えるし、羊のチーズとハモンセラーノを挟んだスペイン風サンドイッチには、硬いパンを使う。アンダルシアに迷い込んだようなスペイン濃度だ。「スペインのバルは、近所の親父が愚痴こぼしながら酒を飲み、涙している、そんな場所なんです」と松野さんは笑う。いつでも誰でも優しく受け入れる店主がカウンターの中にいる、駆け込み酒場。さっと飲んで去るも、腰を下ろすも自由。

[勧めるシェフ]
「エル・ポニエンテ」

オーナーシェフ小西由企夫さん

ベネンシアドールが丁寧に管理するシェリーが素晴らしい。シェリーはワインと同じで温度や保存、注ぎ方で味が変わるので正しく扱えないと味が損なわれます。「スペインの空気」を感じる店。

【レシピ】ボカディージョ

エストレマドゥーラ州で知ったサルモレホソースは、ガスパチョのような風味。鉄板で焼いた硬めのパンが特徴的なスペイン風サンド。

材料

サルモレホソース(2~3人分)
トマト…大1個/バゲット…5ℊ/白ワインビネガー…少々/刻みニンニク…少々/オリーブオイル…3ℊ/塩…少々

仕上げ
バゲット(硬めのもの)…1本/マンチェゴチーズ…適量/ハモンセラーノ…適量

作り方

  1. サルモレホソースを作る。バゲットをミキサーにかけて粉砕する。トマトは湯むきして、芯と種を取り除き、ミキサーにかける。そこへ粉砕したバゲット、白ワインビネガー、刻みニンニク、オリーブオイル、塩を入れて、再びミキサーをまわし、液状になるまで混ぜ合わせる。
  2. バゲットを半分に切り、熱した鉄板で表面がパリパリになるまで両面を焼く。
  3. 2の断面に1のサルモレホソースをたっぷり塗り、その上に薄くスライスしたマンチェゴチーズ、ハモンセラーノをのせてサンドする。
松野直矢さん Naoya Matsuno
1968年大阪府生まれ。A・ヘミングウェイを愛し、イタリア、フランス、スペイン等を旅した。98年、心斎橋のビル内に店を開き、12年に移転。

バー ヘミングウェイ
BAR Hemingway

大阪府大阪市中央区東心斎橋1-13-1伊藤ビル1F
06-6282-0205
● 15:00~24:00LO
● 不定休
● 13席


三好彩子=取材、文 山田絵理=撮影

本記事は雑誌料理王国第253号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第253号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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