月曜レクチャーランチ by若月稔章氏 珠玉のパイ包み焼きと秋の味わい

東京の中心地、千代田区富士見の地に建つメゾン「ソンブルイユ」で、レクチャーランチが開催された。厨房で腕をふるうのは、「ソンブルイユ」のエグゼクティブシェフである若月稔章氏。 メインは、若月シェフのこだわりが詰まった「鴨とフォワグラのパイ包み焼き ソースルワネーズ」だ。

「月曜シェフ塾」は、フレンチやイタリアンを中心としたプロの若手料理人、ホテル勤務者などを対象にした、低価格で調理技法を学べる試食もできる料理講習会だ。講師は、業界を代表する高い見識と調理技術を有する一流シェフ。レストラン業界の休みが多い月曜日を基本に開催している。

2022年9月12日(月)、東京の中心地、千代田区富士見の地に建つメゾン「ソンブルイユ」で、レクチャーランチが開催された。厨房で腕をふるうのは、「ソンブルイユ」のエグゼクティブシェフである若月稔章氏。「本来のフランスにある文化を表現したい」と語る若月氏は、フランスの「エスペランス」などの星付きレストランで修業を重ね、帰国後、「エメ・ヴィベール」のシェフに就任。7年連続で「ミシュランガイド東京」で星を獲得したという経歴を持つ、フランス料理界でもトップクラスの料理人だ。
受講者のひとりは、「月曜シェフ塾は勉強になるのでできるだけ参加していますが、レクチャーランチは別格。一流のシェフの手によるコース料理がいただけるだけでなく、メイン料理のレシピまで教えてもらえるのですから、参加しないわけにはいきません。今日は、若月シェフがどんなお料理をつくってくださるのか、とても楽しみです」と笑顔を見せる。

最初に登場したのは、「一口のお愉しみ」と題したアミューズ。続いて、「オマール海老と秋茄子 ズッキーニのテリーヌ アブリコのヴィネグレット」「グリンピースのヴルテとコンソメジュレ ジュンサイ」「お口直し シャンパーニュのグラニテ“キールロワイヤル”」と、彩りも美しい皿が、メイン料理に向けた“助走”のように続く。

そしてメインは、若月シェフのこだわりが詰まった「鴨とフォワグラのパイ包み焼き ソースルワネーズ」。フランス産鴨胸肉、白レバー、ゴルジュ・ド・ポー、塩、コリアンダームーラン、白コショウを合わせて1日マリネし、翌日、直径1.0〜1.2cmの目でミンチに2度かける。これを、ジュ・ド・トリュフ、エクラ・ド・トリュフ、ジュ・ド・カナール、フォワグラのコンフィ(冷凍)と合わせてトータル2kgとし、直径7cmに40g詰め、ポワレしたフォワグラを上に乗せ、冷蔵庫でしめる。その後、200℃のコンベクションオーブンで25分間焼き、5分間休ませる。仕上げで再度2分間オーブンに入れれば、「鴨とフォワグラのパイ包み焼き」の完成だ。
できあがった「鴨とフォワグラのパイ包み焼き」をホールのまま客席まで持っていき、ゲストの目の前でカット。器にカットしたパイ包み焼きを盛り、ソースルワネーズを添える。
「パイ包み焼きはフランスでは古くからある料理で、フランス料理の料理人である私としては、これはずっと残していきたい料理だと思っています。現在は、古き良き時代のフランス料理を象徴するようなパイ包み焼きを、少し現代風にアレンジしながら、お客さまに提供しています」と若月シェフは説明する。
ゲストが食事をするテーブルを回り、皆さんと談笑する若月シェフ。料理に関する細かな質問にも笑顔で答えている若月シェフの姿が印象的だ。

メインディッシュのあとは、「一口デセール」「ピオーネのクルスティアン」「小菓子とショコラ」といったデザートが続く。とりわけゲストの目を引いたのが、「ピオーネのクルスティアン」。これは、飴細工でつくった球状の“器”のなかに、赤ワインとスパイスで皮ごと煮込んだピオーネなどを詰め込んだデザートで、ゲストの皆さんもテーブルに並ぶと同時に興味津々の眼差しを向けていた。
「9月に入ってぶどうが美味しい季節になってきたので、つくってみました」とシェフパティシエの岩佐氏は説明する。

一軒家レストランの贅沢な空間で、シェフの若月氏やシェフパティシエの岩佐氏の独創性あふれる料理やデザートを堪能したゲストの皆さん。
「群馬県で店をやっていますが、月曜シェフ塾は必ず参加するようにしています。店は一人でやっていて料理も独学になりがちなので、こういった場は貴重です。私もデセールに飴細工を使うことがあって、今日は岩佐さんにいろいろと教えていただけて、とても勉強になりました」
「最近になって、僕もパイ包み焼きをよくやるようになって……。若月シェフは、今日はあえてクラシックなパイ包み焼きをつくってくださったのだと思いますが、ほんとうに美味しかった。勉強になりました」等々……。
最後に「ソンブルイユ」の厨房を見学し、ゲストの皆さんは明るい表情で、瀟洒な佇まいのレストランを後にした。

text:山内 章子

Sautoir Club/月曜シェフ塾 

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