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アルカン×ラ・ロシェル南青山 フランス料理界の“雄”がコラボする料理塾に「予想以上の体験ができ、勉強になった」との声


「月曜シェフ塾」は、将来シェフをめざす若手料理人への調理技術、知識の伝承を目的に、2016年よりシェフたちからの要望を受けてスタートした、低価格で調理技法を学んで試食もできる料理講習会だ。講師は、業界を代表する高い見識と調理技術を有する一流シェフ。レストラン業界の休みが多い月曜日を基本に開催している。

料理レシピだけではない、実際のレストランでお客様の目線で料理だけでなくお店の雰囲気、サービス、佇まいを感じていただきたい、料理人としての奥行きの広さを持ってほしい、という願いから2021年に始まった「月曜レクチャーランチ」。調理専門学校などの教室で行われるいつもの「月曜シェフ塾」とは異なり、実際のレストランで“レクチャーランチ”が楽しめるとあって、受講する料理人やパティシエの人たちも興味津々。「高級フレンチレストランのサービスやコース料理を学びたい」「10月に自分の店をオープンするので、料理はもちろんインテリアなども参考にさせてもらいたくて参加しました」「厨房も見学させてもらえるので楽しみです」など、参加者たちの期待値も高い。

12時30分に、「当店の料理をお楽しみください」という「ラ・ロシェル南青山店」の料理長、川島孝氏の挨拶でスタートした月曜シェフ塾の「第6回月曜レクチャーランチ」。今回のおもな食材とワインは、西洋料理の食材を扱う専門商社として知られるアルカンが提供している。

ひと皿目は、「空豆のスフレ」だ。今回のコースでは、ハーブが1つの共通項。川島シェフは、この「空豆のスフレ」にエストラゴンのみじん切りを混ぜ合わせ、スパイシーな清涼感をプラス。スフレのなかには、68℃のバプールコンベクションで加熱したオマールブルーをしのばせ、最後に擦りおろしたシェーブルチーズをのせた。

続いての料理は、「ホワイトアスパラガスと剣先サザエのシャルロット」。まずはサザエを昆布と酒、水を入れた鍋に入れ、74℃で火を入れたあと、肝をのぞき、小さくカットする。みじん切りにしたニンニクとオリーブオイルを鍋に入れ、火にかける。香りが出たら、赤パプリカ、黄パプリカ、新玉ねぎを加えて軽く炒め、アンチョビと白ワインビネガーを加えてレムラードをつくる。セルクルに半分にカットしたホワイトアスパラガスを並べ、小さく切ったサザエを混ぜ合わせたレムラードを詰め、ジュレドコンソメを流し、冷やし固める。最後に日向夏、うるい、オゼイユ、ハーブを飾れば完成だ。

3皿目は「鴨フォアグラテリーヌ 3種のデクリネゾン」。これは、フォアグラを「ムース」「パンデピス」「キャラメリゼ」の3つの状態に調理してひと皿に仕立て上げるという料理。フォアグラに塩をふり、ラップをして真空にし、68℃のヴァプールで様子を見ながら火を入れる(40〜50分)。火が入ったら氷水で冷やして1日寝かせる。ここまでがムース用。ここからさらに、フォアグラはマリネ液と共に真空にして、3日間マリネする。マリネ液から取り出してペーパーなどで拭き取り、直径3.5cmの筒状にラップで成形すれば、「パンデピス」と「キャラメリゼ」の下準備は終了だ。同じフォアグラ料理でも、風味は“三者三様”。シェフのテクニックや経験値、感性が存分に楽しめるひと皿となっている。

4皿目は、「マグレ鴨ロース肉のロースト 青豆の香り」。じっくりと火入した鴨肉は炭火焼きで仕上げ、ハーブオイルソースにも桜燻製ビネガーを使い、鴨肉にたっぷり燻香を纏わせる。素揚げしたゴボウのチップとも相性は抜群で、初夏らしいひと皿だ。

最後はデセールで、「ヌガティーヌ ショコラとシブースト ふきのとうのアイスクリーム」。「ハーブが今回のコースの共通項」と言っていた川島シェフだが、シェフパティシエの猪俣氏がデセールに使ってきたハーブは、なんと山菜のふきのとう。独特の苦味と香りがそのままバニラアイスクリームと絶妙にコラボして、コース料理の楽しみにさらなる余韻をもたせてくれる。参加したある料理人も「ハーブとアイスクリームを合わせるのは僕もよくやるのですけれど、まさかふきのとうを合わせるとは……。勉強になりました」と笑顔を見せた。

ふきのとうを使ったデセールについて説明するシェフパティシエの猪俣氏

食事のあとは厨房見学もあり、参加した皆さんも充実した時間を過ごせた様子。「23年間使い続けているキッチンなので…‥」と川島シェフは謙遜するが、見学した皆さんからは「ピカピカで皆さんが大切に使っていらっしゃるのがよくわかりました」「厨房の若い子たちの表情がにこやかで、職場環境の良さが窺い知れました」などといった声が聞かれた。

3時間近くに及んだ「レクチャーランチ」。27人の参加者たちは、充実した表情を見せながら、お土産を手に「ラ・ロシェル南青山店」を後にした。

text:山内 章子

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