奇をてらうことなく、シンプルだがしっかりとした、メッセージ性のある料理を発信する。「白インゲン豆のスープ」は、ラスのオーナーシェフ、兼子大輔さんらしいひと皿だ。
素材は白インゲン豆のほかニンジン、タマネギ、セロリ、タイムなど、潔いよいほど特別な食材は使っていない。しかしその代わり調理に要する時間は4日。時間と労力は、たっぷりとかけてあるのだ。
「料理はシンプルであるほど、おいしく仕上げるために技術を必要とします。技術以外にもセンスやバランス感覚なども大切な要素で、ごまかしなどは一切効きません。そういう意味で白インゲン豆のスープは、私がいちばん好きな料理です。
このスープは、豆の持つおいしさや味わいがありのままに伝わり、食べた人の感性や心に訴えることができる料理だと考えています」と、兼子さんはこのスープで応募した理由を話す。
日々の料理は、一つひとつの当たり前な作業をまじめに丁寧に行う。料理に向かう真摯な姿と、兼子さんの誠実な人柄が凝縮されたスープである。
白インゲン豆をタマネギやタイム、セロリ、ニンジン、白ワイン、塩、豚の脂とともに火にかけ、一晩休ませ、また火にかけるというシンプルな料理。しかしそこには、兼子さんの経験やセンス、知識が凝縮されている。
材料(4人分)
●スープ 白インゲン豆…125g/白ワイン…200cc/ 水…375g/ラルド…100g/タマネギ…50g/オリーブオイル…20g ●ミルポワ タイム…10g /ニンジン…100g /セロリ…100g ●仕上げ 塩、黒コショウ…少々/EXオリーブオイル…50g
作り方 ていねいに手間暇かける
●下ごしらえ
●火入れ 【ポイント】
●仕上げ
1979年、広島県出身。辻学園調理専門学校卒業。「ラ・ベガス」(大阪)、「コートドール」(東京)、「バランドル」(カオール)、「サンドランス」(パリ)、「カラペティバトゥバ」(東京)を経て、2012年にオーナーシェフとして南青山に「L’AS」を開店。
L’AS
東京都港区南青山4-16-3 南青山コトリビル1F
☎080-3310-4058 www.las-minamiaoyama.com/
本記事は雑誌料理王国242号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は242号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。