日本のフランス料理が歩んできた道 ~1980年代~ 〝個〞が花開き、さらなる飛躍へ 23年4月号


80年代は、バブル景気と相まって日本のフランス料理界が活気づいた時期だが、90年代には冬の時代を迎える。しかし、フランス料理の発展を願うシェフたちの信念は、逆風をもチャンスに変える。その強い精神力は、現在、世界で勝負する若きシェフたちに道を拓いた。

日本のフランス料理界は、幾度か大きな転換期を経て今日に至るが、そうした中でも、特に80年代は、特別な意味を持つ時期といわれる。60年代後半から70年代にかけて、フランスで修業した料理人たちが次々に帰国して、本場の味を伝えるべく、街場にレストランをオープンさせたからだ。

フランス料理のステージは、ホテルの厨房から街場のレストランへと移行し、自らオーナーシェフとなって店を切り盛りする料理人が増えた。


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text: Kurumi Kamimura


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