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【飲食店の法律相談所#5】家賃交渉のタイミングはありますか?


Q. 家賃交渉のタイミングはありますか?

トラットリアのオーナーシェフです。都会で修業したのちに、地元に帰って独立しました。お客さまにも恵まれ、おかげで7年が経ちました。これから10年、20年続くお店にしていくためにも、家賃の交渉をしたいと考えています。大家さんになんと話を切り出せばよいのでしょうか? また、交渉のタイミングなどあれば教えてください。
(40代 トラットリアオーナー)

A. 一般的には更新時、ただし賃貸借契約の種類に注意

 家賃は、飲食店の経費では大きな部分を占めますから、少しでも下げたいというのはオーナーの切実な心情だと思います。

 駅前や大規模商業施設など、良い立地では、むしろ大家さんからの賃上げ交渉も積極的ですので、いずれの場合でも慌てないような心構えが重要です。

 賃上げも賃下げも、まず現在の契約が定期借家契約か普通借家契約かどうかによって異なります。定期借家の場合、大家さんが「嫌だ」といえば、期間満了で契約が終了してしまい、店の存続ができなくなってしまいます。一方、普通借家なら、家賃さえ支払っていれば、大家さんから解除されることはまずありません。普通借家でも契約期間は決まっていますから、更新のタイミングを見て交渉することもできます。

 一般的には、賃料相場や、借り始めからの景気や物価の変動、店の状況など、具体的な数字や根拠を準備してから交渉します。今後を考えると、事を荒立てるのが得策とは思いませんが、相場とかけ離れている場合には、賃料減額調停などを起こすことも視野に入れてよいでしょう。少なくとも、そこまで考えていることを示すことで、譲歩させることができるかもしれません。

飲食店専門弁護士 石﨑冬貴
1984年、東京都生まれ。神奈川県弁護士会会員。横浜パートナー法律事務所所属。飲食店法務を専門的に取り扱うほぼ唯一の弁護士。著書に『なぜ、飲食店は一年でつぶれるのか?』(旭屋出版、2018年)がある。

本記事は雑誌料理王国2019年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は 2019年1月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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