葛藤も、諦めかけた憧れもある。悔いなき人生のための、70歳からの出発 オテル・ドゥ・ミクニ 三國清三 23年4月号


昨年末、37年間営業を続けてきた「オテル・ドゥ・ミクニ」を閉店した三國清三さん。1985年に同店をオープンして以降、日本のフランス料理界の第一線を駆け抜け、多くの人材も育成。その三國さんがなぜ今店を閉め、さらなる挑戦をするのか。料理人人生の転機、閉店を決めた経緯、今後について伺った。

「店を閉めた一番大きい理由は、70歳という年齢を意識したこと」と三國さん。閉店を決意した去年、三國さんは67歳。「師匠の村上信夫帝国ホテル元総料理長は、84歳まで教壇に立つなど現場におられた。自分はそれより1年でも長く料理人でありたい。ならば気力体力的に、70歳が、人生最終章のスタートにちょうどよいと思ったのです」。70歳からのスタートで何を始めるのか。「カウンター8席の店です。料理は全部僕が担当。毎日豊洲に行き、お客さまと相談しながら料理を決める。そんな店です」。


続きをご覧になるには、有料会員登録が必要です。
会員登録がお済みの方は、こちらよりログインしてください。


text:Izumi Shibata photo:Toichi Miura

関連記事


SNSでフォローする