World News NY:期待のシェフが挑む韓国モダンファインダイニング

多文化が共生するアメリカの大都市ニューヨーク。世界の最先端を行くこの街で活動するライター&プロデューサーの小松優美さんが、美食の最新情報をレポート。 世界中で注目を集めるエンタメ業界だけでなく、美食の世界でも、韓国が存在感を強めているようだ。

多文化が共生するアメリカの大都市ニューヨーク。世界の最先端を行くこの街で活動するライター&プロデューサーの小松優美さんが、美食の最新情報をレポート。近ごろ、K-popグループ「BTS」の活動休止というニュースが世界中で注目を集めたが、エンタメ業界だけでなく、美食の世界でも、韓国が存在感を強めているようだ。

映画や音楽などエンターテイメント界に引けを劣らず、食の世界でも韓国の躍進が目覚ましい。

10年前に誕生した「Jungsik」を草分け的存在に、現在、マンハッタンにはミシュラン星つきの店が6軒もある。韓国料理のモダンファインダイニングは今最も混戦を極めるジャンルといえるだろう。

なかでも注目したいのが、この春にオープンした「Oiji Mi」だ。オーナーシェフのブライアン・キムは料理界のハーバード大学とも称される名門「CIA(The Culinary Institute of America)」を卒業後、「Gramercy Tavern」や「Bouley」といった一流店を経験。7年前に「Oiji」を開き、ビビンバをライスクレープで再構築したり、ハニーバター味のポテトチップスを取り入れたりと独自のセンスで喝采を浴びた。その店をファインダイニングに昇華させた店となれば、期待が高まるのも当然。

$125コースの一品目として登場するビーフタルタルのクルスタード ©Christian Harder/Oiji Mi
$125コースの一品目として登場するビーフタルタルのクルスタード
©Christian Harder/Oiji Mi

5皿からなるコースにはアーティチョーク、ウニ、トリュフといった食材が登場し、フレンチのような華やかなプレゼンテーションで目を引くが、どの皿も根底にある韓国料理のフレーバーにブレがなく、東洋的な繊細な味がほっとさせる。

また、フォアグラに韓国のブラックラズベリーを合わせた品は、11月から提供が禁止される前に楽しみたい。

韓国の食材を駆使したオリジナルカクテルも9種類ほど揃え、東洋のマリアージュを展開。 ©Christian Harder/Oiji Mi
$125コースの一品目として登場するビーフタルタルのクルスタード
©Christian Harder/Oiji Mi

なおバーエリアではアラカルトでも注文が可能。店のミッションには“情”を掲げ、ファインダイニングでありながら、料理を通じてお客が心からくつろげる場を目指したとか。

以前の店よりもインテリアは格段にスタイリッシュに仕上げているが、スノッブ過ぎないもてなしの心がそこにはある。

text:小松 優美

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