3月8日から4日間、千葉の幕張メッセで開催されたアジア最大級の食料品展示会「FOODEX JAPAN 2022」。料理王国編集部がこの展示会を取材して見つけた、注目商品をご紹介する。
「FOODEX 2022」の会場はとにかく広いので、ひとまずはブルドーザー式に歩いてみることに!
代替食品コーナーに到着すると、料理王国2020年10月号のプラントベース特集で取材した、「椎茸祭」(しいたけまつり)の竹村賢人さんと再会した。
「椎茸祭」とは、日本に古くからある原木椎茸や精進出汁の文化に光を当てた商品を手がけるスタートアップ企業。高知県四万十で原木椎茸を栽培して、菌種が分かる乾燥シイタケや、ほっとひと息つける携帯用の椎茸出汁「oh!dashi」(業務用もある)、完全植物性の麺つゆ「おいしい椎茸だし」などを開発。国内外の一般消費者や企業、レストランなどに向けて販売している。
椎茸祭の商品は、このコロナ禍で海外需要を伸ばし、全体の売上の45%を占めるようになった。またフレンチレストランを中心に、飲食店との取り引きが増えているそうだ。
「近年のレストランシーンでは、ひと皿を重過ぎず軽やかに仕上げることが多いようですね。例えば肉のロティに動物性のソースを合わせると重くなりすぎるので、この出汁を活用する方もいるみたいです。肉と椎茸は相性が良いですから」と竹村さん。
ちなみに、昨今のレストランシーンには、プラントベースの波が来ているように思う。例えば昨年、NYでミシュラン三つ星の評価を受けるフレンチレストラン「イレブン・マディソン・パーク」が、肉を封印してプラントベースへ移行したというニュースがあった。そこでエグゼクティブシェフのダニエル・フム氏がとりいれたのは、日本の精進料理の手法だ。
また今年の年明け、東京・青山の中国料理店「慈華」の田村亮介さんを取材したときには、素菜(スーツァイ)と呼ばれる中国の精進料理の手法で、冬瓜や麩を使った見事なヴィーガントンポーローを披露してくれた。「今後も様々な素菜に挑戦したい」と語ってくださったことも印象的だった。
プラントベースやヴィーガンに挑戦したい料理人の方は、ぜひ「椎茸祭」の精進出汁を試してみてはいかがだろうか。伝統や文化を学び、自分なりに咀嚼して、商品に落としこむ。「椎茸祭」のそんな姿勢に共感する料理人は多いはずだ!