2022年6月8日より1ヶ月間、自然食品F&Fの首都圏13店舗で料理王国100選の優秀賞・入賞商品の中から15商品を集めて販売するフェアが行われた。その中にはフェア後も継続的に販売されている商品もある。今回は料理王国100選2023でも品評員を務め、募集の始まった2024年度も参加が予定されているエフアンドエフシステム株式会社の専務取締役で「自然食品F&F」の仕入れ責任を担う谷井正樹氏に、フェアでの成果や料理王国100選入賞商品のバイヤー目線での評価など、お話をうかがった。
まず端的に、「料理王国100選フェア」そのものは好評だったという。そのフェアから多くの商品がレギュラーとして以降も取り扱いが継続しているのは、その証左に他ならない。今現在棚になくても季節品でシーズンが来れば、という商品もあるし、中には40mLで2,998円と単価の高いバルサミコ酢のような商品も含まれる。これには谷井氏も「良いものは良いもの、そういうのを厳選してやればちゃんと売れる」という。
これはもちろん、「自然食品F&F」が化学合成の添加物を使用していない商品、化学農薬や化学肥料をできる限り使用せずに栽培した農産物を全国各地の約200軒の契約農家から、といったこだわりがきちんと消費者に受け入れられており、「F&F」の棚に並ぶ商品なら価格が高くてもそれに見合う価値、品質がある、と評価されているから、という理由はあるだろう。これが量販店などではただ高いだけの商品と見られてしまうことがほとんどではないか。
しかし、そんな「F&F」であっても谷井氏は「うちも、頑張ってこの商品はいいですよとオススメしようにも、全部が全部できるわけではない」と明かしてくれた。そういう時に助けになるのが、商品そのものに付いた何らかの裏付けだという。県知事賞や他のコンクールなどでも何か賞を取ったものというのはお客さんを一押ししてくれ、購買につながる。そして「料理王国100選のように、お客さんがパッと見た時に判断できるような、そういうシールがついていると大きいです」と話してくれた。
また、谷井氏はこのようなこだわりの業態としての新商品の探し方も教えてくれた。
「F&F」としてはやはり安心安全で、しかも自店しか売っていないようなものを常に探したい。添加物を使っていないというのは基準としてあるけれど、それはあくまで最低限のところで、やはり消費者に楽しんでほしい、「安心安全だから我慢して食べてください」ではなく、やっぱり美味しいもの、こだわりのあるものを紹介したい。このような目標、課題を受けて商品探しの方法も変わってきている。
「当然展示会なども回ります。でも大きいものは関東のバイヤーはほとんど来ている。そうすると良いと思うものはみんな一緒なので、どうしても他とかぶってしまいます」
そうした中で誰も見つけていなさそうなところに行くには、口コミや生産者からの紹介、そして料理王国100選のような詳しい情報を持っている人とつながって教えてもらう、というのが一番有効とのことだ。実際に料理王国100選も、今定番になっている商品も見つかっているので、とても役に立っていると語ってくれた。
text:小林乙彦(料理王国編集部)