伝統酒蔵が生み出した新たな国産ウイスキー 後編


日本各地でその土地その土地に愛される味わいを醸してきた、日本酒や焼酎の蔵元。今回ご紹介するのは、そんな蔵元数社が協働して生み出した「Whisky The Takasago 2022」です。コンセプトは「時・場所・伝統技術そして、思いが融け合うウイスキー」。その味わいの魅力を、二人のトップシェフにお聞きました。

4月に発売がスタートした「Wisky The Takasago 2022」。各地の蔵元に眠っていたスピリッツと富士かぐや蒸留所のモルト原酒を、富士高砂酒造がその伝統技術をもってブレンドし、生み出した新しい日本産ウイスキーです。今回は、その味わいについてレポート。実際に味わって感じたその印象を、「アマラントス」のオーナーシェフ・宮崎慎太郎氏と「アクアパッツァ」のオーナーシェフ・日髙良美氏にお聞きしました。

まずは、普段は食後にゆっくりとウイスキーのロックを楽しむことが多いという宮崎シェフ。

「いい意味でスピリッツっぽさを残しつつ、ウイスキー独特の甘みや深み、コク、ドライな感じもあじわうことができますね。とても華やかですが、飲み進めてもアルコール度数を感じず、クセがない。喉にひっかかることなく、すーっと飲めるのがいいですね。余韻が印象的なウイスキーだと思います」

ロックがおすすめだと思うが、ストレートで楽しむ場合でも温度は低い方がいいのでは、と言葉を続けます。

「バニラ香や樽香、 トンカ豆っぽい香りが、温度が低くても引き立っていると思います。飲んだ時のテクスチャーは冷たい方が僕個人的には好み。少しずつ飲みながら口の中で常温にもどして味わいたいかな」

合わせる料理についてお聞きすると、クレームブリュレのような表面をキャラメリゼしたものや燻製したショコラが絶対に合いますと、宮崎シェフ。バニラ香などの華やかさがあるので、ほろ苦いカカオをまとったナッツなどもよいのでは、というアドバイスを頂きました。

「誰が見ても日本発のウイスキーだとわかるラベルデザインもいいし、コンセプトもしっかりしているので、お客様にも説明しやすいですね。そこで会話も生まれますし、お酒を楽しめる方にはこの魅力が伝わると思います。今後はヴィンテージものが発売されるのと、面白いですね。自分でも購入すると思います」

そして、毎日、食後や就寝前にウイスキーを楽しんでいるという日髙シェフからも「バニラ香や樽香がしっかりあるので、ロックで飲みたいですね。少し冷えた同量の水で割っても、より飲みやすく美味しく味わえるかなと感じます」と、高評価が。

ソムリエからは「今まで飲んできたウイスキーとは違う印象があります。香りがよく、甘みも感じますが、軽やかで飲みやすい。グラッパが好きなお客様におすすめしたい感じでしょうか」という提案も。

合わせる料理については、チョコレートやレーズン、チーズとも合うと思うと日髙シェフ。

「デザートだったらティラミスもいいですね。最初にハイボールから飲むときはナッツ系、最後はチョコレート系に合わせたい」

ウイスキーに求めるものとして、味わいとともに大切にしているのが“安らぎ”だという日髙シェフ。

「1日の締めにウイスキーを飲むことが多く、美味しいウイスキーだといい形で一日を終えられた感じがするからです。このウイスキーを飲めば、きっといい形で1日を終えられる、そんな美味しさがあると思います」

 

二人のシェフが太鼓判を押す「Whisky The Takasago 2022」。ぜひ一度、試してみては。

■富士高砂酒造
https://fuji-takasago.com/

text:奥 紀栄 (料理王国編集部) photo:小沼祐介

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