レストランの【サービス】を 「仕事」にするということ。レストランタテルヨシノ 総支配人・田中優二さんに聞く


田中さんの【仕事のマストアイテム】

ボールペン、フィレドソール、ソムリエナイフ

お客さまからサインをいただくボールペンは、海外で購入したモンブランのマイスターシュテック モーツァルト。TOJIROのフィレドソールはコンクール上位入賞の記念品。1年で3本手にしたうちの1本で、田中さんの名前の刻印入り。15年以上愛用しているソムリエナイフはシャトーラギオールのエリック・ボーマール モデル。

サービスのテクニックよりも人間性を重視したい

長年従事してきたサービス人を辞めようと思ったことはないが、店を変わろうと思ったことは何度もあったそう。「考えすぎてしまう人、逃げ場の作れない人は残念ながら続きません。潔く流せることも大切だし、何かで発散して切り替えることも必要でしょう。私の場合はお酒。そんなところも金子さん譲りなんですよ(笑)」。

サービスの仕事に向いている人材について尋ねた。
「やはり、人に好かれる人物です。電話一本で来てくれるお客さまをどれだけ獲得できるかも重要ですから。それに、都合よく相談相手を変える人よりも、『これを言ったら怒られるだろうな……』という相手にも正々堂々と報告や相談ができる人は伸びるんです。テクニックよりも人間性重視ですね」。

さらにこうも続ける。
「レストランは料理だけ、サービスだけという一輪では走れない。そこにいい料理があるからこそ、いいサービスが必要なんです。つまり、レストランは料理とサービスの両輪で走るもの。部下には自分を少しでも超えて、自分より少しだけ幸せになってほしいという思いがあるので、今後も現場に立ちながら人材育成に励んでいきたい。それが自分の仕事ですね」。

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田中優二/Yuji Tanaka
1989年「都ホテル東京」入社。「タイユバン・ロブション」のメートル・ド・テルを経て、2003年「タテル ヨシノ」入社。2012年総支配人に就任。04年「クープ・ジョルジュ・バティスト国際コンクール」準優勝、「第11回メートル・ド・セルヴィス杯」優勝。

レストラン タテル ヨシノ 銀座/
Restaurant Tateru Yoshino Ginza

東京都中央区銀座4-8-10
PIAS GINZA 12F
☎03-3563-1511
●11:30~14:00LO、18:00~21:00LO
●無休
●コース 昼5500円~、夜11000円~(税込)
●83席
www.tateruyoshino.com

田中英代=取材、文 小寺恵=撮影

本記事は雑誌料理王国276号(2017年8月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は276号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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